2013年7月7日日曜日

フクシマへ行こう!感想文・メール追加分

フ・ク・シ・マへ行こう感想文・メール追加分

手塚さん 初めてメールします。今回の福島被災地ツアーに夫婦で参加した篠原です。高橋晴雄さんから、ツアー参加の感想を手塚さんに送って下さい、と連絡があったようなので以下に述べます。
以前から、頭で考えて想像しても震災の被害状況は分からないだろうと思っていました。
しかし、やみくもに行ってもなぁ!ということで躊躇し、実現していませんでした。
今回のツアーの話が高橋さんから来て、チャンス到来!とばかりに参加を決めました。
女房は別件用事があって、最初は「行けない」と考えていたようですが、私が行くと決めた
こともあって、参加を決意したみたいです。
書き出すと長い文になってしまいそうなので、箇条書きにしました。

①地震のすごさ、津波の強烈なパワー、放射能の怖さは話や映像では分からない。

②言葉が出なかった。特にバスの中での放射能測定値がどんどん上がっていくのを聞いた時。

③国会議員、府県会議員、全都道府県知事、市町村長は少なくとも福島を見に行くべきである。
 そして、見に行く前と後で原発に対する考え方が変わったか変わらなかったかを理由を
 つけて発信すべきである。

④現実がこうだから原発は維持すべきである、再稼働せざるを得ないと思うのは
 未来が見えない人間であり、これから生きて行く子供たちに責任を果たすことに
 ならないと私は考える。

⑤上記④の考えで友人たちと話をすると、原発維持、再稼働に賛成する人間がかなりいるという現実が
 見えてきた。お蔭で、友人を何人も失った気がした。どう反論し、説明しても彼らを説得することは出来なかった。

⑥地震とそれから発生する津波は天災である。誰にも止められない。逃げ方の良否はあるが、受け止めざるを得ない面がある。

⑦しかし、地震と津波に原発が加わると、途端に人災の様相を呈してくる。想定外と言うが、想定しては
原発を作れないから過小評価しなければならなかったのが現実であろう。
⑧これからは更に大きな地震や津波が予想される。それに無傷で立ち向かえられる原発が設計、施工、稼働、再稼働出来るという人間は、よほどの夢想家若しくはノータリンとしか思えない。

⑨人間の叡智が少しでも残っていると信じたい。住んでいたところに数年~数十年以上戻れないという人が何百万人発生する危険性があるのに、その原因を除去せずに、再稼働を画策したり、外国にまで売ろうという政権を
 選挙と言う最大の武器を使って阻止するのが、我々にとって大きな役割であると思った。

⑩しかし、人は自分の考えが正しいと勝手に思うものであり、他人の意見は無視することが多い。私も同様かもしれない。
 言っても無駄だ!と思う反面、考えを変えてくれるかもしれないと思う時もある。両者の間を揺れ動いている。

⑪「原発問題への考え方を問うこと」が未来に対する人の心を試すリトマス試験紙になっている。
 原発維持賛成者には、「福島の現場を見て!感じて!考えて!」と叫ぶことが最短、最良の一言ではなかろうか?
 それが私の今回のツアーで得た結論です。

 S氏



今回、世話人のみなさまのおかげで、個人では容易に行くことのできない、原発被災地福島へ行くことがかないました。ありがとうございました。


まさしく百聞は一見に如かず。
南相馬からガイドで加わってくださったS氏の案内で、南相馬市小高地区から井田川干拓地へ。破壊された堤防まで近寄ると、津波の破壊力が惻々として伝わってきます。

更に南下して福島第一原発から6キロの浪江町請戸地区まで進みました。井田川地区同様、瓦礫が取り除かれ、雑草に覆われた地に立って、津波と放射能汚染のために失われてしまった人びとのくらしを思います。
予備知識がじゅうぶんではなかったので、帰宅後、この地域の地形図を入手。人びとの住居のありかの刻印を見つめ直しています。

福島中通りから阿武隈高地横断して浜通りにいたる往復の道中、沿道から見渡す耕地はことごとく一面の雑草に覆われ、その光景が延々と続きました。原発災害の拡散の巨大さとひどさを見せつけられます。

帰路、東北自動車道の車窓から、夕闇に浮かんだ一面湖かと見まごう光景に出くわしました。目をこらすと、水田であることに気がつきました。あの雑草に覆われた光景との対照に、気持ちがふさがります。
かの地にくらしていなかっただけの「幸運」にいる者として、さてその責任は如何にと問われる旅程でした。


                                                              對馬 労
6月28日渋谷駅頭で街頭宣伝活動中の「希望の牧場」吉沢氏(對馬氏撮影)


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